かんだやぶそばの思い出
diary - 2013年04月03日 (水)

今年の2月20日。
蕎麦屋の老舗、「かんだやぶそば」が火事で焼けた。
もう10年以上前、東京に出張に出た際、この店に行った事を思い出した。
入口から店に入るまで短い石畳の小路があり、歩を進めると昔にタイムスリップするかのような独特の雰囲気があった。
引き戸をあけると、和装の女将が案内してくれた。
女将にもりそばと頼むと、お客さんなら2枚注文しないと物足らないとの説明を受け、言われるまま2枚注文。
赤い前掛けをした若いお姉さんが、甲高い、独特の口上で厨房に注文を入れた。
やがて蕎麦が長方形のせいろできた。確かに少ない。
その蕎麦はうすい緑色をしていた。
季節は夏だったので新蕎麦ではなかろうと女将に聞いてみたらクロレラが入っていると教えてくれた。
味は驚くほどでもなかったが、最後に勘定をした時に値段の高さに驚かされた。
貧乏人の情けなさである。
店を出て石畳の小路を歩いていくと、また現代に引き戻される感覚を受けた。
高いお金を払っても不思議とまた行きたくなる店舗。これが老舗というものなんだろう。
店は再建に向けて動き出していると聞いた。
次に訪ねた時も、あの雰囲気を感じられる事を願う。