麺帯の太さ
そば - 2013年02月17日 (日)

蕎麦は細いほどいいという人が多い。
以前、今の家を建ててもらった大工に蕎麦を振る舞ったことがある。
粗挽きの全粒粉を太目(約2mm)にしたのだが、あまりいい反応ではなかった。
細いものが好きだったのだろう。あるいは蕎麦は細いものだという固定観念があったのかもしれない。
喉越しを重視すれば、細い方がいい。
たとえば更科にちかい蕎麦粉を使って打つのなら、細く切った方がそのつるつる感を味わってもらえるだろう。
反面、蕎麦を噛んで味わいたいなら、太いほうがいい。
先ほどの全粒粉を粗挽きにしたものなら、麺帯にした時にごつごつ感が出て喉越しはよくないが、やや太めにして噛んで食べると、蕎麦の実の香り、甘さを十分堪能できる。
大阪の大正区に「凡愚」という蕎麦屋がある。
週に三日ほどしか営業してないのだそうで、私はまだ行ったことがない。
その店の蕎麦はうどんのように極太なのだそうだ。
それがめっぽううまいらしい。
その弟子が福島区の聖天通りで「からに」という蕎麦屋をやっている。
そこに私は数回行ったことがある。
粗挽きをもりで頼んだが、細く短かった。
岩塩を振りかけて食べると蕎麦の甘みが引き出されて実にうまい。
うまいものが食べたかったら固定観念は邪魔である。